治験について
新しい薬が厚生労働省の承認を得て、広く一般的に使われるようになるには、いくつかの段階を踏む必要があります。まず、「薬の候補」に効果があり安全であることを確かめる基礎研究や非臨床試験を行い、その後、人を対象とした臨床試験へと進んでいきます(図1)。
図1 基礎研究等から承認審査までの流れ
この臨床試験のなかで、厚生労働省から「薬」として認めてもらうための試験を治験といい、この時、用いられる「薬の候補」を治験薬といいます。また、治験は、通常の診療よりも検査の項目や回数が増えるなど研究的な要素も含んでいます。
そのため、参加された方の安全や人権を守るために「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」と「医薬品の臨床試験の実施の基準(GCP)に関する省令」の法令に基づいて医薬品の治験は行われています。
現在使われているすべての医薬品も、こうした段階を経て開発されてきたものです。
この治験は、第Ⅱ相試験(探索的試験)の段階にあたります。また、製薬会社などの企業が計画し実施する治験ではなく、医師が計画し実施する治験です。このような治験を医師主導治験といいます。